「支援」から「共創」へ。福祉の常識を覆す本格スイーツ『KURUMERU』が、いばらきデザインセレクション2025選定

手土産として選ばれる「質」を追求した、高級焼き菓子 ─ 障がい者の手仕事とアートで描く、地域と福祉の新しい循環モデル

社会福祉法人征峯会（本部：茨城県筑西市、理事長：渡辺和成）が運営する「パン工房しらとり」の焼き菓子『KURUMERU（くるめる）』が、このたび「いばらきデザインセレクション2025」において「選定」を受賞いたしました。

福祉施設の製品に対し、社会にはまだ「支援のために買う」という意識があるかもしれません。しかし、私たちが目指したのは、そうした既存の枠組みを打ち破る「圧倒的なプロフェッショナル品質」です。『KURUMERU』は、素材、製法、おいしさ、デザインのすべてにおいて妥協なき挑戦を続け、このたび茨城の優れたデザインとして公的な評価を獲得しました。

いばらきデザインセレクション2025の公式ロゴ。 — いばらきデザインセレクション2025選定マーク

クルミとキャラメルをサクサクの生地で挟んだ焼き菓子「KURUMERU」の商品写真。 — たっぷりのクルミと濃厚な自家製キャラメルを、バター香る生地で挟んだ『KURUMERU』。幾度もの試作を経て辿り着いた、ほろ苦さと甘さの絶妙なバランス。

シェフのこだわりを形にする、緻密な仕事と「忠実な再現性」

『KURUMERU』の高い品質を支えているのは、征峯会自慢のシェフが考案したレシピと、就労継続支援B型事業所で働く利用者様の連携です。

シェフが熱心に考え抜いたレシピを、視覚的なマニュアルに落とし込みました。利用者様は、このレシピを忠実に守り、丁寧な作業を繰り返すことに集中します。

決められたルールを厳守し、同じ作業を繰り返しこだわりをもって続けられるという障がいのある方の特性を最大限に活かすことで、安定した高い品質を実現しています。この製造工程には、製造からパッケージ封入まで、利用者様一人ひとりの丁寧さとこだわりが生かされています。

就労継続支援B型の利用者が、視覚化されたレシピをもとに調理工程を行っている様子。 — 就労継続支援B型の利用者が挑む、真剣勝負。シェフが視覚化したレシピを忠実に再現し、安定した品質を支えています。

社内の声から始まった、「本格的な高級焼き菓子」の開発

パン工房しらとりの代表的な焼き菓子は、長年親しまれているイギリスパンを二次加工したラスクです。次に目指すステップとして、「征峯会が自信をもって大切な方に贈れる、本格的な高級焼き菓子」を開発してほしいという社内からの声が上がり、このプロジェクトが始まりました。
シェフは、要望を受けて、スイスの「エンガーディナー」というお菓子を参考に、高級菓子の開発を始めました。しかし、福祉の現場で再現するのは容易ではありませんでした。なぜなら、ここは就労継続支援B型事業所。利用者様が主要な工程に関われることを目指していたからです。
シェフは試行錯誤を繰り返し、利用者様の特性を最大限に活かせるよう工程を工夫して、ついに焼き菓子『KURUMERU』が誕生したのです。

「選ばれる」パッケージ ─ アートが、福祉と社会の境界を溶かす

征峯会は、以前より障がい者アートを企業や行政とのコラボレーションに活用し、実績を積み重ねてきました。 1人でも多くの障がいのある方に活躍の場をつくりたいという想いのもと、『KURUMERU』でもアートをパッケージに使うことを決め、デザインユニット「NODD」に依頼しました。

この躍動感ある絵の描き手は、重度の知的障がいのある生活介護の利用者様です。彼らの自由で、既成概念にとらわれない大胆なストロークと色彩が、NODDのディレクションにより商品の顔となるアート作品へと昇華しました。

そうして出来上がった３種類のパッケージは、購入者に選ぶ楽しさを提供するとともに、障がいのある方が作ったお菓子を、障がいのある方の絵で包み、地域の人たちが手土産として大切な人に渡していくという、社会的な流れを可視化しました。

これは単なるお菓子の販売ではありません。福祉の現場が地域と共に新しい価値を創出し、社会課題の解決と地域経済の活性化を両立させる「支援から共創へ」の挑戦です。

障がいのある利用者が描いたアートをあしらった『KURUMERU』の3種類のパッケージ。 — 3種類のパッケージには、それぞれ異なる利用者様のアート作品を採用。「選ぶ楽しさ」もデザインの一部となっている。

「おしゃれで上質なギフト」として選ばれる実力

『KURUMERU』のターゲットは、家族や友人、同僚など「大切な人へ気持ちを込めて手土産を渡したい」と考える30代〜40代の女性を中心としています。「福祉施設の商品だから」ではなく、「美味しいから」「素敵だから」選ばれる。そのために、無添加のクルミや自家製キャラメル、そしてバター、生クリームなどの素材を惜しみなく使い、サクサクのクッキー生地で濃厚なキャラメルを挟み込む、リッチな味わいを実現しました。

そのクオリティは、「来客用の手土産として最適」と企業や行政関係者からも高く評価されており、筑西市の道の駅で買えるお土産としても人気を博しています。

「くるめる」に込めた、地域社会への願い

筑西市上平塚に広がる社会福祉法人征峯会の事業所群を撮影した上空写真。 — 征峯会の事業所群（手前）と茨城県筑西市の風景

商品名『KURUMERU』は、征峯会の職員が出したアイデアが採用されました。

この名前には、二つの意味が込められています。一つは、おいしさの核となる、品質にこだわった無添加クルミと自家製キャラメル。そしてもう一つは、このお菓子を通じて、作った人、贈る人、受け取る人、すべての人を笑顔で「くるめる」ように、という願いです。

今回の「いばらきデザインセレクション2025」選定は、障がい者の仕事が、デザインや品質という客観的な基準における高いクオリティの証明です。私たちはこれからも、筑西市の地から「支援から共創へ」を体現する取り組みを発信し続けてまいります。

【商品概要】

商品名：KURUMERU（くるめる）

価格：1,100円（税込）

販売元：パン工房しらとり　〒308-0067 茨城県筑西市上平塚591-1

取扱店：パン工房しらとり店頭、公式オンラインショップ、道の駅グランテラス筑西、筑西市ふるさと納税返礼品

法人概要

Shiratori Welfare Group（社会福祉法人征峯会）のロゴ。 — しらとりウェルフェアグループ

社会福祉法人征峯会（せいほうかい）

本部所在地：〒308-0067　茨城県筑西市上平塚590-1

設立：1986年理事長：渡辺和成

茨城県筑西市上平塚地区を拠点に、障がい・高齢・児童・相談といった多領域にわたる福祉サービスを展開し、地域住民の多様なニーズに応えています。法人理念「最高の笑顔をあなたに」のもと、利用者の自己実現と地域共生社会の実現を目指しています。公式サイト（https://seihoukai-group.jp/）では最新情報や取り組み内容を随時発信しています。