高島杏樹

高島杏樹

PROFILE

机に向かうことさえ容易ではない日々の中で、ひとたび集中が訪れると、彼女は溢れ出す「好きな場所」や「希望」を誌面に刻み込む。綴られた言葉をあえて色彩で塗り潰していく行為は、大切な想いを心の深層に守り抜く慈しみのような儀式である。膨大な時間をかけ、幾層にも重なった筆致には、気分の波と向き合い続けた彼女の確かな生が宿っている。未完成ゆえに脈動し続ける色彩の層。その隙間から漏れ出す光は、表現の本質的な救いと、彼女のこだわりが到達した純粋な表現の凄みを静かに、しかし強烈に物語っている。